税理士先生はWeb集客に否定的?
税理士先生とお話していると、Web集客について以下のような否定的な意見をよくお聞きします。
- 税理士業にとって一番有効な集客は「紹介」。Web集客って本当に効果あるの?
- Web(ネット)経由で来るお客さんは質が悪いんだよね。
- Web(ネット)集客で来るお客さんは、結局価格で選んでいる印象だよね。
- 数十万円かけてホームページ作ったけど、ホームページ経由の問い合わせはほとんどないんだよね。
- 年配の税理士先生が多くITスキルが低いので、Web集客には手を出さないのでは?
- Web集客に時間をかけている余裕がないのだよね。
- Web集客の話よりもお客さんを紹介して!
他の士業の方ともお話しする機会がありますが、他の士業の方が何倍もWeb集客に積極的な印象を受けます。
ということで、今回は「税理士業にWeb集客は有効なのか?」を考察してみたいと思います。
会計事務所の集客に関するアンケート調査結果
会計事務所向けのサービスを提供している株式会社TKCが2020年11月に実施したアンケート調査があります。
この中に「あなたの会計事務所で、新規顧客の開拓方法として現在、多いものを教えてください」という質問があります。
回答の上位は以下の通りです。(複数回答可)
- 顧問先からの紹介:71.9%
- 友人・知人・出身税務所等からの紹介:33.8%
- 金融機関からの紹介:32.9%
- 士業ネットワーク:31.0%
- ウェブサイトからの問合せ:13.5%
上記の通り、上位4位までを「紹介系」の回答が占めています。
5位に「Web集客系」が入っていますが、「紹介系」に比べると割合は大幅に減少します。
ちなみに「Web集客系」の他の回答は以下の通りで、ほとんど効果が出ていないという結果になります。
- SNSの利用:2.1%
- DM、メルマガの発信:0.2%
現状では新規顧客の集客で有効な方法は「紹介系」で、「Web集客系」はあまり有効な集客方法となっていないことが見て取れいます。
次に「あなたの会計事務所で、新規顧客の開拓方法として今後、重視していきたいものを教えてください」という質問があり、この回答の上位は以下の通りです。(複数回答可)
- 顧問先からの紹介:72.4%
- 金融機関からの紹介:57.4%
- 士業ネットワーク:37.0%
- 友人・知人・出身税務所等からの紹介:24.0%
- ウェブサイトからの問合せ:18.3%
今後の新規顧客の集客の取り組みとしても、「紹介系」を重視されており、「Web集客系」はあまり重要視されていないことが見て取れます。
税理士業の特殊性
税理士(会計事務所)は、関与先の業績やお金周りなどの重要な情報にアクセスすることになるため、クライアント側も「信頼できる税理士(会計事務所)に依頼したい」という意識が働くことが多く、取引先、知人、関係者などの紹介に頼る傾向が強いかと思います。
私も会社設立当初は、以前の会社の同僚の会計事務所に依頼しました。
このような特殊性があるため新規集客の方法として「紹介」が有効であることは間違いありません。
しかし、これからの時代、紹介だけに頼っていても大丈夫でしょうか?
他の士業先生の多くはWeb集客に積極的に取り組んでいます。
税理士業は上記の特殊性があるため特別なのでしょうか?
環境の変化に対応する
私はこれからの時代、税理士業も「Web集客」に取り組みべきだと思っています。
集客については「紹介」と「Web集客」の両輪で走ることが理想だと思っています。
その理由は以下のような環境の変化があるからです。
- スマホの普及により、どこでもネット検索ができ、情報を参照することが可能となった。
- SNSの普及などにより、ネット経由で信頼関係構築が容易になった。
- ZoomなどのWeb会議サービスの普及により、ネット経由でのコミュニケーションが一般化した。
- クラウド会計サービスの普及により、ネット経由でのデータの共有が容易になり、場所の縛りが弱くなった。
- 税理士紹介サービスの普及により、ネット経由での税理士探しが一般化した。
これらの変化により「近くの税理士さんに依頼しよう」「取引先・知人・関係者から紹介してもらおう」といった意識は弱くなってきているはずです。
「紹介してもらうより、ネットで検索した方が簡単で早い」と思う方が増えているのではないでしょうか?
特に、特定分野(融資、銀行対策、事業承継など)に強い税理士先生を探している場合などは、ネット(Web)を活用するケースが多いはずです。
つまり、これからの時代、税理士業にとってもWeb集客は有効なのです。
そして、多くの税理士先生がWeb集客に否定的であるのならば、今積極的にWeb集客に取り組むことにより、相手に先んずることができるのです。
ある意味、現在税理士業のWeb集客は「ブルーオーシャン」状態なのです。
Web集客の仕組みを構築し、成功するためにはそれなりの時間が必要です。
今始めることにより先行者として優位な地位を確保することが可能となるのです。